【婚姻費用に関する用語の説明】
- 義務者
- 婚姻費用を請求されている側
- 権利者
- 婚姻費用を請求している側
- 総収入
- 給与所得者及び年金所得者の場合は源泉徴収票の「支払金額」。すなわち税金等控除前の金額。
- 自営業者の場合は確定申告書の「所得金額」から「社会保険料控除額」を控除した金額。
- 実額で認定するが、当事者が資料を提出しない場合など実額が不明な場合は賃金センサス等の統計資料を利用して推計する。
- 基礎収入
- 総収入から租税公課、職業費(給与所得者の場合)及び特別経費(住居費、保険医療費等)を控除したもの。
- 租税公課、職業費、特別経費はいずれも実額認定せず、法規や統計資料から導かれる標準的な割合(総収入に対する割合)によって推計する方法が一般化している。
- 結果として、基礎収入も、総収入の大小に応じた標準的割合によって認定される。
- 基礎収入割合
- 総収入に対する基礎収入の割合(基礎収入割合)。給与所得者の場合で34%~42%、自営業者の場合で47%~52%とされており、いずれも高額所得者になるほど低い数値を用いる。当サイトでは『家庭裁判月報』第62巻第11号(平成22年11月)に掲載されている松本哲泓判事(当時大阪高裁部総括判事)作成の次の割合表を用いている。
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- 給与収入(総収入):基礎収入割合
- ~100万円:42%
- ~125万円:41%
- ~150万円:40%
- ~250万円:39%
- ~500万円:38%
- ~700万円:37%
- ~850万円:36%
- ~1350万円:35%
- ~2000万円:34%
- 事業収入(総収入):基礎収入割合
- ~421万円:52%
- ~526万円:51%
- ~870万円:50%
- ~975万円:49%
- ~1144万円:48%
- ~1409万円:47%
- 年金所得者の場合、給与所得者の基礎収入割合に20%(給与所得者についてだけ認められる「職業費」の割合)を加算する。
- 生活費指数
- 子に充てられるべき生活費を、親を100とした場合の数値で表したもの。生活保護基準及び統計資料から導き出される標準的な数値である。
- 子の生活費指数は、子の年齢のみによって決まり、0~14歳の子1人につき55、15歳以上の子1人につき90と決まっている。
- 義務者と同居する権利者の生活費指数は、一般的に義務者よりも少なく、具体的には15歳未満の子1人の生活費指数と同じ55として計算される場合が多い。